朝、起き上がるときだけ腰が痛い|原因の見分け方とセルフケア|ハヤト整体院

「朝起きると腰が痛いんです。でも時間が経つと、なくなっていくんですけど」
最近よく聞かれるのが、この質問です。
ハヤト整体院、田村です。
朝、布団から出るときに「いたたたた」と声が出てしまう。それでも顔を洗って朝の支度をしているうちに、いつの間にか忘れている。日中はほとんど気にならない。夜になっても平気。だから病院に行くほどでもない気がして、そのままにしている。
この記事は、そういう方に向けて書いています。
先に結論をお伝えします。朝だけ痛くなる腰は、寝ている間に体が固まって、同じ場所に負担がかかり続けていることが多いです。だから朝いちばんがつらくて、動き出すと楽になっていきます。
そしてもうひとつ。固まってしまう理由は、筋肉が硬いことよりも、関節が動きにくいことのほうが大きいと考えています。ここを取り違えると、ストレッチを続けても朝の痛みが変わらない、ということが起こります。
勝川の院でも、この相談はよくいただきます。
この記事を読み終えると、自分がどのタイプに近いのか、家で何を確かめればいいのか、明日の朝から何をすればいいのかが分かります。
朝だけ痛くなるとき、体では何が起きているのか

寝ている間、体はほとんど動いていません。当たり前のようですが、これがいちばん大きな要素だと思っています。
日中は、立ったり座ったり歩いたりで、意識しなくても体の向きが変わり続けています。ところが眠っている間はそれがなくなる。同じ姿勢のまま、同じ場所に負担がかかり続ける時間が数時間続きます。朝の腰の痛みは、その結果として出てきていることが多いです。
ここで関わってくるのが寝返りです。
寝返りが打てない方は、今とても増えています。理由として考えられるのは、背中の硬さと股関節の硬さです。ここが動かないと、寝返りという動作そのものがスムーズにできません。結果として、一晩ずっと同じ姿勢で固定されてしまいます。
「体が柔らかくないんですね」とお伝えすると、「じゃあ筋肉が硬いからストレッチすればいいんですね」と返ってくることが多いです。ただ、ここで問題になっているのは、その硬さとは少し違います。関節が動くかどうか、のほうです。
朝つらい方は、寝ている姿勢そのものが腰の反りを作ってしまっていることもあります。仰向けで寝たときに、腰が反った状態で固定されてしまう。触らせていただくと、ももの前側、ももの外側、背中、脇のあたりが硬くなっている方が多いです。筋肉の名前でいうと、大腿四頭筋、大腿筋膜張筋、腸腰筋、腹斜筋、広背筋のあたりになります。
このあたりの柔軟性がないと、腰の反りが自然と作られてしまいます。そのうえ寝返りも打てないので、反ったまま固定される。同じ場所に負担がかかり続けて、朝いちばんに痛みとして出てくる、という流れです。
では、なぜ動き出すと楽になるのか。動くことで関節周りが動き出すからだと考えています。固まっていた関節が動きを取り戻すと、腰にかかっていた負担も分散されていきます。朝の支度をしているうちに痛みが引いていくのは、そのためです。
同じ腰痛でも、朝つらい方、座るとつらい方、立ち仕事でつらい方では、見ていくところが変わります。体に起きている現象が似ていることはありますが、朝つらい方の場合はとくに腰まわりと背中、なかでも背骨を丁寧に見ていきます。
あなたはどのタイプに近いですか
朝がいちばんつらく、動き出すと楽になる。体が硬い自覚がある。ストレッチをしたほうがいいとは思っている。
デスクワークで座りっぱなし。体は筋肉で動かすものだと思っている。ストレッチをたくさんやればいい、と考えがち。
勢いをつけて起き上がる。しっかり鍛えるほうが好きで、地味な動きは物足りない。
実際に多いのはタイプ1とタイプ2です。タイプ3の方は、そこまで多くありません。
タイプ1|寝ている間に固まる
このタイプの方は、まず関節が動く状態をつくることを優先したほうが早いです。
理由は、寝返りが打てないことが痛みの入り口になっているからです。背中と股関節が動かないままだと、どれだけ良い寝具を使っても、同じ姿勢で固まる時間は変わりません。
ご自身でも「体が硬い」と自覚されていることが多いタイプです。ただ、その自覚があるぶん、ストレッチだけを一生懸命やってしまいがちでもあります。
正直なところ、ストレッチが無駄というわけではありません。ただ、関節が動く方向に動いていないと、同じ場所を伸ばし続けているだけになってしまうことがあります。
朝の痛みが何年も同じように続いているなら、このタイプの可能性が高いです。
タイプ2|日中の使い方が翌朝に出る
このタイプの方は、朝ではなく日中の体の使い方を見直すほうが変化が出やすいです。
理由は、朝に出ている痛みが、前の日の体の使い方の結果になっているからです。座り方、立ち方、そして関節に負担をかけすぎている時間の長さ。動かすところを動かさず、使わなくていいところばかりを使っている状態が続くと、寝る前の時点ですでに体が固まりかけています。
デスクワークが中心で、座りっぱなしの時間が長い方に多いです。年代でいうと、40代以降の女性の方からご相談いただくことが多くなっています。春日井のあたりは車移動が中心の方も多いので、歩く時間そのものが少ないことも重なりやすいです。
以前、勝川の当院に来られた50代の方も、このタイプに近い状態でした。デスクワークが中心で、運動はずっと苦手。ストレッチをするだけでも痛みが出てしまう状態からのスタートでした。できることを少しずつ体操としてお伝えしていったところ、今は痛みなく眠れていて、朝起き上がるのもつらくないとおっしゃっています。※変化には個人差があります
「ストレッチをたくさんやればいいんですよね」と言われることが多いのもこのタイプです。体は筋肉だけで動いているわけではないので、関節が動く状態をつくることとセットで考えたほうが近道になります。
タイプ3|起き上がり方に無理がある
このタイプの方は、起き上がり方を変えるだけで変化が出ることがあります。
理由は、勢いをつけて起き上がる動作そのものが、固まった腰に一番負担をかける瞬間だからです。一晩固まった体を、いきなり腹筋のような動きで起こしている状態になります。
しっかり動かすほうが好きで、細かい動きや地味な練習を物足りなく感じる方に多い印象です。
ただ、このタイプだけで完結していることは少なく、実際にはタイプ1やタイプ2と重なっていることがほとんどです。起き上がり方を変えてみて、それでも朝の痛みが残るなら、他の要素も見ていったほうがいいと思います。
家で確かめられること
自分がどのタイプに近いか、いくつか確かめる方法があります。
まず、起き上がってから何分で楽になるかです。多くの方は5分から10分ほど動いていると、固まっていた関節が動き出して痛みが引いていきます。朝痛くて、そのまま一日中痛みが続くという方は、実は多くありません。もし一日中続いているなら、朝だけの腰痛とは分けて考えたほうがいいです。
次に、お昼寝のときはどうかです。短い時間の睡眠では痛くならない、という方が多いです。これは、固まる時間の長さが関係していることの裏づけになります。
寝返りの回数を数える方法もありそうですが、眠っている間のことなので現実的ではありません。数えようとしなくて大丈夫です。
それから前屈です。ここがいちばん分かりやすいので、2種類の前屈を比べてみてください。

ひとつは、お尻を後ろに出しながら曲げる前屈です。股関節から折りたたんでいく形になります。もうひとつは、背中を丸めて曲げる前屈です。
理想は、お尻を後ろに出したまま床に手が届くことです。背中を丸める前屈のほうは実は手がつきやすいので、こちらだけで判断すると「自分は柔らかい」と思ってしまいます。お尻を後ろに出したとたんに届かなくなる方は、股関節が使えていないと考えられます。
そして、背中を丸めた前屈でも床が遠い場合は、正直かなり硬い状態です。
起き上がり方を変える

朝いちばんに痛みが出るのは、起き上がる瞬間です。ここを変えるだけでも違いが出ます。
まず、痛い方に多い起き上がり方です。腹筋をするように、まっすぐ上体を起こす。「よいしょ」と勢いをつける。手を床やベッドについて、腕の力で体を持ち上げる。このあたりが当てはまる方は多いと思います。
こうした起き方をされている時点で、股関節の動きが使えていないことが多いです。股関節は、ネジが回るように動く関節です。そこが使えるようになるだけでも、腰の負担は変わってきます。
正しい起き方はひとつではありません。やりやすい形で構いませんが、次の2つをよくお伝えしています。
最初は、勢いを使わないと起き上がれないかもしれません。それでも大丈夫です。少しずつ、勢いを使わずに起きられるように練習していってください。片方ができるようになったら、反対の足でも同じようにできるようにしていくのが理想です。
ちなみに、横向きになる動作が苦手な方もいます。その場合は背骨や胸郭の硬さが関係していることが多いです。
起き上がるときに力が入ってほしいのは、体幹まわりです。逆に、腹筋にしか力が入らない方は腰に痛みが出やすくなります。腸腰筋や腹斜筋、背中まわりが働いていないことが多いです。
やってはいけないのは、勢いをつけて起き上がることです。これだけは避けてください。
布団の中でできること

起き上がる前に、布団の中でできることがあります。
まず、両足をしっかり閉じた状態で、左右にゆっくり倒します。20回を目安に、倒すのに2秒から3秒かけるくらいのゆっくりした速さで動かしてください。固まった体を、いきなり起こす前に慣らしてあげる、という感覚です。
この動きは基本的に痛みが出にくいものですが、それでも痛みが出る方はいます。その場合は無理をせず、いったんやめてください。痛みが出るときは、お尻にボールを当てるストレッチを先にやってから、もう一度左右に倒してみると動きやすくなることがあります。
慣れてきたら、両足を抱えてだるまさんのようにコロコロ転がる動きもあります。ただ、これは少し難易度が高いので、無理にやらなくて構いません。
それよりも、先ほどの片足を抱えて起き上がる動きを練習してもらえると嬉しいです。股関節と腸腰筋、体幹を使う起き方が身につくので、そのまま毎朝の動作が変わっていきます。
お尻のストレッチは動画で説明しています。
痛みが出るときは、こちらのボールを使ったケアを先にどうぞ。
日中にやっておくこと

朝の痛みは、その日の朝だけでつくられているわけではありません。前の日の体の使い方が、翌朝に出てきます。
具体的には、座り方と立ち方です。同じ関節にずっと負担をかけていないか。動かすべきところを動かさず、使わなくていいところばかり使っていないか。このあたりが、寝る前の体の状態を決めています。
今日ひとつだけやるとしたら、骨盤の前傾と後傾の練習です。骨盤が動くようになると、座っているときの負担のかかり方が変わります。
最初は仰向けで練習してください。そこから横向き、座った姿勢、四つ這い、という順番でできるようになっていくのが理想的な流れです。いきなり座ってやろうとすると、うまく動かせないことが多いです。
寝具を替える前に

「マットレスを替えれば治りますか」と聞かれることもよくあります。
寝具を替えるのは、選択肢のひとつです。寝具が原因で痛みが出ているのなら、それで変わることもあります。
ただ、順番としては体を先に見ておいたほうがいいと思っています。今の体の状態のままだと、寝具がへたってきたときにまた同じ痛みが出てくる可能性があるからです。何かを買い足すよりも先に、今の体がどうなっているかを見てあげるほうが大切だと考えています。
分かりやすいのは寝返りの話です。背中が硬いままなら、マットレスを替えても寝返りは打ちやすくなりません。逆に背骨が動くようになれば、寝返りは打ちやすくなります。変わるのは寝具のほうではなく、体のほうです。
どんな寝具がいいですか、と聞かれることもありますが、正直なところ人によってバラバラです。同じ年齢でも、お仕事によって体の硬さは全く違います。寝心地は試してみないと分からない部分が大きいので、これがいいですと言い切ることはしていません。替えたいという気持ちがあるなら、替えていただいて構わないと思います。
運動から始めなくて大丈夫です
体を動かす習慣がない方が、腰が痛いからといきなり筋トレを始めると、かえって痛くなることが多いです。
まずはストレッチや、体を動かすことに慣れるところから始めてください。習慣になってきてから運動を足していくほうが、結果的に続きます。勝川の当院でも、その順番でお伝えしています。
よくある質問
- 朝だけの痛みなら、放っておいても大丈夫ですか
- A.動き出せば消えるので、そのままにされる方は多いです。ただ、毎朝続いているということは、毎晩同じ負担がかかり続けているということでもあります。年単位で同じ状態が続いているなら、一度みてもらうことをおすすめします。
- ストレッチはしているのに変わりません
- A.その場合、関節の動きのほうに原因があることが多いです。伸ばす方向と、動かしたい関節が噛み合っていないと、続けても変化が出にくくなります。
- 夜中に腰が痛くて目が覚めることがあります
- A.朝つらい方の中には、夜中に痛みで目が覚めるという方もいらっしゃいます。寝ている間に同じ場所へ負担がかかり続けていることが関係している場合があります。※ただし痛みが強い場合は、一度病院に相談してから体を見ていくほうが安心です。
- 病院に行ったほうがいいのはどんなときですか
- A.痛みが強い場合や、不安がある場合は、一度病院で診てもらってからのほうが安心です。ヘルニアなどの問題がないと分かっていたほうが、こちらとしても体を見ていきやすくなります。
まとめ
- 朝だけの腰痛は、寝ている間に固まって同じ場所に負担がかかっていることが多い
- 固まる原因は筋肉の硬さより、背中と股関節の関節の動きにあることが多い
- 起き上がり方を変える、布団の中で足を左右に倒す、この2つから始められる
寝具を替えるより先に、体のほうを見ておくと遠回りになりません。自分がどのタイプに近いか分からないときは、初回のチェックで一緒に確認していきます。
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