反り腰は「腰を反らさないように」で合ってる?ぼくが見ている場所と確かめ方

私、反り腰なんです。腰を反らさないようにした方がいいですか?
反り腰の相談は、この言葉から始まることが多いです。
どこで言われましたか、と聞くと、身内の方に言われた、以前行ったマッサージや整体で言われた、という答えが返ってきます。一度言われた「反り腰」という言葉が残り、自分の姿勢を気にするようになった方もいます。
そのため、来られた時点ですでに、腰を反らさないようにする、骨盤を丸める、胸を張るといったことを試している方も少なくありません。それでも立っていると腰やももの前が疲れたり、意識し続けることがしんどくなったりします。
先に、ぼくの考えをお伝えします。
反り腰は、腰の反りだけを小さくすればよいわけではありません。
同じように腰が反って見えても、立ち方、背骨や胸郭の動き、骨盤の位置、お腹の支え方は人によって違います。
この記事では、
- 「反り腰」という言葉が指しているもの
- 同じように見えても、見る場所が変わること
- 「腰を反らさない」「胸を張る」で疲れる理由
- 自宅で確かめられる2つのこと
- ハヤト整体院で見ていること
このあたりを、体の知識がない方にも分かるように紹介します。
「反り腰」と言われても、腰の反りだけでは決まりません
まず知っておいてほしいのは、腰はもともと少し反っているということです。
背骨は上から下まで一直線ではありません。首、背中、腰にそれぞれカーブがあり、その中で腰は前へ反る形をしています。ですから、腰の隙間をなくしたり、背骨をまっすぐにしたりすることが目標ではありません。
反り方にも、体格や骨格による違いがあります。横から見た腰の反りだけで、その人の状態や困りごとまで決めることはできません。
そこでぼくは、最初にこう聞きます。
「気になっているのは見た目ですか。それとも、痛みやつらさですか」
鏡や写真を見たときの姿勢が気になる方と、立っていると腰がつらい方では、知りたいことが違います。
見た目が気になる方には、話を共有するために「反り腰」という言葉を使うことがあります。一方、つらさがある方には、呼び名を決めることより、今どこへ負担が集まっているかを説明します。
「反り腰」という言葉は同じでも、見た目と体の状態は一人ずつ違います。

同じように見えても、見る場所は変わります
反り腰に見える方を見るとき、ぼくは腰だけを見ません。
まず立ったときに、お腹や骨盤が前へ出ていないかを見ます。次に足元と胸郭を見て、背骨を上から下までなぞって状態を確かめ、そのあとで骨盤を前後へ動かしてもらいます。
ももの前側や外側が張っている方も多いため、立っているときにどこへ力が集まっているかも見ています。

ここで大切なのは、見た目から姿勢のタイプを決めることではありません。
現場で実際に見る、2つの場面で考えてみます。
骨盤が前へ移動し、上半身が後ろに残っている場面
一つ目は、お腹と骨盤が前へ出て、上半身を後ろへ預けるように立っている場面です。
横から見ると腰が反って見えますが、腰の反りだけではなく、立つ位置の影響が大きくなっています。この立ち方は、スウェイバックと呼ばれることもあります。
この方に「もっと胸を張ってください」と伝えると、前へ出た骨盤はそのままで、上半身だけをさらに起こそうとすることがあります。すると、腰やももの前へ力が集まりやすくなります。
この場面では、腰を無理に丸めるより、まず骨盤の位置を気にしてもらいます。
胸を張り、肋骨が前へ出ている場面
二つ目は、姿勢を良くしようと胸を張り、下の肋骨が前へ出て見える場面です。この見え方は、リブフレアと呼ばれることがあります。
この方は、骨盤を動かすことだけを意識しても、胸まわりの位置や動きが変わらないことがあります。そこで、息を吐いたときに肋骨がどう動くか、胸のあたりの背骨が動くかを確認します。
同じように腰が反って見えても、一つ目の場面では立つ位置を、二つ目の場面では胸郭や背骨、呼吸を先に伝えることがあります。
同じ「反り腰」でも、確かめた結果が違えば、お伝えすることも変わります。
骨盤の前傾・後傾や全身とのつながりは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
詳しくはこちら
「腰を反らさない」「胸を張る」で疲れる理由
反り腰を気にしている方の中には、姿勢を意識するほど疲れる方がいます。

胸を張っているつもりなのに、腰が疲れるんです。
このとき考えることの一つが、胸のあたりの背骨です。
胸のあたりの背骨を胸椎といいます。胸椎が動かしにくい方が胸を張ろうとすると、胸ではなく腰を反らせて姿勢を作ることがあります。本人は胸を張っているつもりでも、実際には腰の動きが大きくなっている状態です。
反対に、腰を反らさないようにしようとして、骨盤を強く丸め続ける方もいます。これも力を入れて姿勢を固定しているため、長く続けると疲れます。
意識して作った姿勢は、意識している間しか保ちにくいものです。仕事や家事をしながら、一日中「腰を反らさない」「胸を張る」と考え続けるのは大変です。
ぼくが目指しているのは、頑張って形を作り続けることではありません。
必要以上に力を入れなくても立てる位置を、自分の体で見つけること。
腰だけで姿勢を支えなくてよくなると、腰やももの前に集まっていた力も変わってきます。
今日から確かめられること
自宅で確かめてほしいことは、二つです。
骨盤を前と後ろへ動かしてみる
一つ目は、骨盤を前後へ小さく動かしてみることです。
椅子に浅く座り、両足を床につけます。その状態で骨盤を前へ傾けたり、後ろへ傾けたりしてみてください。腰や背中の形が一緒に変わるのが分かると思います。
大きく動かす必要はありません。前と後ろで、どちらが動かしやすいかを感じてみてください。
ぼくが見てきた中では、前へは動かせても、後ろへ動かそうとすると動かし方が分からない方がいます。
ここで良し悪しを決める必要はありません。
- 前と後ろで動かしやすさに差があるか
- 動かしているときに息を止めていないか
- 腰だけで動かそうとしていないか
まずは、この違いに気づければ十分です。
立ったときの骨盤の位置を気にしてみる
二つ目は、立ったときの骨盤の位置です。
お腹と骨盤を前へ突き出し、上半身を後ろへ預けるように立っていないかを確認します。胸を張ったり、腰を丸めたりして形を作る必要はありません。
ぼくがお伝えしているのは、
「骨盤の位置を気にしてください」
ということです。
その位置でよいかを見る目安は、適度に下っ腹へ力が入っているかどうかです。お腹を強く固めたり、へこませ続けたりするのではありません。立ったときに下っ腹へ自然な支えがあり、腰やももの前だけで頑張らなくてよい位置を探します。
一日中意識し続けなくても大丈夫です。立ったときに一度確認し、骨盤が前へ出ていたら位置を戻す。そのくらいから始めてみてください。
ハヤト整体院では、反り腰の何を見るの?
ハヤト整体院では、最初に「見た目が気になるのか」「痛みやつらさがあるのか」を聞きます。
そのうえで、立ち方、足と胸郭、背骨、骨盤、お腹の支えを順に見ていきます。
骨盤を動かしてもらうと、前へは動くけれど後ろへ動かしにくい、といった反応が見られることがあります。お腹の支えを使いにくい方では、骨盤の動かし方そのものが分からなくなっていることもあります。
お腹の支えについて、ぼくはダムにたとえて説明しています。

お腹の支えは、ダムのようなものだと思ってください。前へ流れようとするものを、内側から支えてくれるイメージです。
ダムが働くと、お腹を前へ突き出しにくくなり、腰だけで体を支えなくてよくなります。ただし、腹圧だけを見ているわけではありません。お腹の支えを使うには、骨盤や胸郭、背骨が動けることも大切です。
院では、骨の模型を使いながら、骨盤の位置とお腹の支えが変わると、腰の反り方がどう変わるかを一緒に確認することもあります。

本当だ。さっきより反っていないですね。
施術の前後で主に比べているのは、骨盤の位置と立ちやすさです。
施術後にもう一度立ってもらい、
- 骨盤が前へ出たままになっていないか
- 適度に下っ腹へ力が入っているか
- 腰やももの前へ力を入れ続けずに立てるか
- 本人が先ほどより立ちやすいと感じるか
を確認します。
見た目の反りがなくなったかだけでは比べません。骨盤の位置が変わり、本人が立ちやすさを感じられることを大切にしています。
腹圧や呼吸について詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
詳しくはこちら
ストレッチや腹筋はどうする?

反り腰なら、ストレッチと腹筋はどちらをした方がいいですか?

反り腰と言われたからといって、腹筋だけを先に始めるとは限りません。
腹筋運動が悪いという意味ではありません。
反り腰と言われた方の中には、骨盤を後ろへ動かしにくい方や、胸を張ったときに腰だけが動く方がいます。その状態で腹筋だけを始めるより、まず骨盤を前後へ動かせるか、立ったときに適度に下っ腹へ力が入るかを確認します。
ストレッチについては、普段から痛みなく続けられているものなら、すぐにやめる必要はありません。ただ、どこを伸ばすかは、その方の姿勢や動きによって変わります。
大切なのは、「反り腰だからこの運動」と一つに決めないことです。
まとめ
- 腰はもともと少し反っており、反りをなくすことが目標ではありません
- 同じように腰が反って見えても、立ち方や胸郭、背骨、骨盤の状態は違います
- 「腰を反らさない」「胸を張る」と力で姿勢を作り続けると、かえって疲れることがあります
- 自宅では、骨盤を前後へ動かしたときの違いと、立ったときの骨盤の位置を確かめます
- 目安は、適度に下っ腹へ力が入り、腰やももの前だけで頑張らずに立てることです
- 施術の前後では、骨盤の位置と立ちやすさを中心に比べます
反り腰が気になったときは、腰の反りだけを小さくしようとせず、まず自分の骨盤がどう動き、どの位置なら立ちやすいかを確かめてみてください。
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